幻の寿司復活!近大サクラマスが食文化復活に大貢献

300年前の幻が再び

近畿大学は、これまで困難とされていたサクラマスの完全養殖に成功しました。
養殖の分野では近大マグロを筆頭に、近大キャビアなど様々な養殖に成功している。
今回の養殖で、幻の味が再び味わえる出来事となります。

サクラマスの鱒寿司は、富山県で今から約300年ほど前に誕生しています。
当時は富山県のサクラマスは地元の名産で、年間数百トンの水揚げ量でした。
しかし現在鱒事業社が50社ほどありますが、富山県産のサクラマスを使用している企業は1社もありません。

富山のサクラマスは、「準絶滅危惧種」に指定され現在では500匹ほどまでに減少しています。
そんな富山県のサクラマス危機に、近畿大学が得意の養殖分野で名乗りをあげサクラマス養殖の研究が始まりました。
2013年より近畿大学がサクラマス研究を行い、やっと先月10月に完全養殖に成功しました。

天然サクラマスが500匹ではもう無理だった

寿司事業に精通する者でも、富山産の天然サクラマスの入手は数年かけても困難でありました。
そして、あの幻の味「サクラマス寿司」はもう食べられない現実が業界で話題となります。
理由として、以下があげられます。

鱒寿司に求められるサクラマスの条件

  • サクラマスの安定供給が必要条件。毎年水揚げ量に差があっては困る。
  • 特定時期に水揚げできることが必要。
  • 作業効率やコストを考慮し、2kg以上が理想。
  • サクラマスの個体が均一の品質でないと寿司には厳しい。

天然のサクラマスの実情

  • サクラマスの水揚げ量は年によって大きく違う。そもそも準絶滅危惧種である。
  • 自然が相手なので、人工的に水揚げ時期をコントロールできない。
  • サクラマスのサイズは大きく違う。1~4kg以上と個体差がある。
  • 個体の色合い、身の質感、脂の乗りが大きい。
鱒寿司として商品化させるには、準絶滅危惧種の天然サクラマスでは到底無理な話だと理解できるでしょう。
つまり、これらの理想と現実のギャップを近代が本題解決したのである。
とても素晴らしいことです。

実に、約3年以上の年月がかかったが食文化の復活に大きく貢献しています。

大阪梅田の阪急百貨店で発売開始

先月商品化した近代サクラマスは、瞬く間に話題を呼びました。
近大が完全養殖に成功したサクラマス寿司「幻の寿司」は、12月6日まで阪急百貨店で購入可能です。
ちなみにですが、近畿大学のサクラマス研究所は富山県にあります。

今回の偉業について、実験場長と販売店の言葉が以下です。

「富山の食文化を復活させるというか、見直していただくという、そういうところで貢献できるのではないかと思っています」
(近畿大学富山実験場 家戸敬太郎場長)

「(海外産を使った)通常商品は脂ののったリッチな味わいで、近大サクラマスは(和の)御出汁のような上品で淡白な味になっています」
(鱒の寿司高田屋 丸山武代表)

参考文献:http://headlines.yahoo.co.jp/

サクラマスの研究経緯

近畿大学は、サクラマスの研究開始年2013年の水揚げ量400匹という現実に驚愕しました。
伝統の富山県サクラマス寿司は、この年間水揚げ量では無理だと。
富山県の郷土料理で一番の食材が、天然のサクラマスであります。

しかし、現実として富山のサクラマスは準絶滅危惧種に指定されている。
天然の水揚げ量が極端に少ないことから、そのサクラマスの完全養殖に成功すれば特産品が復活する。
つまり、食文化の復活が実現できるから研究をスタートさせます。

近大のこのような業界の困った現実を解決する姿勢がとても好きですね。
近大マグロにしても、安心して妊婦の方でも食べられる点が良いです。