タクシー初乗り410円と距離にぼやく運転手と本当の狙い!

東京23区で、タクシー初乗り410円という大胆な料金改革にぼやく運転手が増えている。
もともとタクシー初乗り料金は、従来では2km走って730円の料金設定でありました。
料金改革後は、タクシー初乗りの距離が1.052kmで410円と設定されました。

タクシー初乗りの1メーター距離が約半分になり、価格が410円という安値になったことで「ちょい乗り」が増えるのではないかと不安な運転手も多い。
確かに、距離が約半分になったものの急な雨などの時、タクシー初乗り410円は乗客側はとてもありがたいのも事実である。
このタクシー初乗り410円について、距離とぼやく運転手とお客とタクシー会社の本当の狙いについて話したい。

タクシー初乗り410円客は以外にも少なかった

タクシー初乗り410円が開始されてから、少し時間が経過したがそのタクシー事情はどうのように変ったのだろうか気になるところであります。
確かにタクシー初乗りが410円になってからは、1メーター価格は割引きになりました。
しかし、1メーター客を除いて長距離客には実質値上げとなる事がわかりました。

タクシー初乗り410円後の距離毎の料金は、6.5km以上走ると割高になる設定になっています。
つまり、ワンメーターで降りるお客は若干の割安となりますが、長距離になればなるほどやや割高がます計算になります。
タクシー初乗り410円導入後から現在まで、ワンメーターで降りた人の割合は比較的少ないというデーターがあります。

もちろん、タクシーがワンメーターで降りられる可能性がある池袋などの地域をさけており六本木や渋谷など長距離客が多い地域に集中している事も理由の一つですが。
どちらにせよ、思ったほどタクシー会社はタクシー初乗り410円のワンメーターで降りられる事はそれほど多くないようでした。
ただし、個人タクシーは話は別であり、長距離客がいる地域はタクシーの列のため短距離客を拾わなければ売上にならなく「ぼやく運転手」が増えた話しを聞きます。

タクシー初乗り410円でクレームが増えた

これまでの説明で、売上をアップする長距離客の地域は各タクシー会社が列をなしています。
個人タクシーはこの列に入ると、お客そのものを獲得できない可能性もあるためワンメーター客を獲得する人も少なくありません。
個人タクシー運転手は、顧客を載せないと自分の売上が確保できないのでワンメーター客を避けたいのが本音でもあります。

しかし、一方で長距離客の獲得に有利なタクシー会社の運転手は同時にクレームが増えている事に悩んでいます。
タクシー初乗り410円になり、距離毎の課金が変化したためであります。
つまり、6.5km以上走ると実質的に割高なタクシー料金になってしまいます。

これまで同じ場所から、同じ目的地にタクシーを利用していた長距離客はタクシー料金が高くなるのです。
タクシー初乗り410円の新料金後からは、お客に「いつもよりやけに価格が高い」「わざと遠回りしてないですか」とうクレームを受けるようになったという。
頻繁にタクシーを利用している中長距離のユーザーにとっては、確かに値上げ感が強くなる。

ワンメーター客が増えるのも事実だが

タクシー初乗り410円でワンメーターの距離で、降りる客が増えるのは事実であります。
ちょっと考えてみると、例えば飲み会帰りや同僚と行動を共にしている時、タクシー初乗り410円は彼らの強い味方になります。
微妙な距離や、突然の雨の時、4人で次の店まで乗合すればバスや電車よりも早く、そして安く移動することがでいるためです。

タクシー運転手にとっては、ぼやきたい瞬間でもありますが、実はタクシー業界にとってもワンメーター顧客は重要でもあります。
確かに個人タクシー運転手にとっては売上が低迷するワンメーター顧客ですが、タクシー会社にとっても重要なのです。
ワンメーター価格がお手頃になり、これまでタクシーを利用しようと考えなかった層を顧客化させることが狙いであります。

タクシー初乗り410円の本当の狙い

タクシー初乗り410円でワンメーター価格は安いものの、6.5km以上走る中長距離顧客にとっては割高になります。
このことから、実際にタクシー会社は中長距離顧客を獲得すると会社の売り上げは3%以上の上昇が期待できます。
しかし、タクシー業界はこの3%の売上アップが目的ではありません。

タクシー初乗り410円の本当の狙いは、「これまでタクシーになじみの無かった人を囲い込むこと」です。
前述した、4人でワンメーターの乗合をすれば一人あたり約102円です。
こうしたこれまでタクシーを利用しなかった人にタクシーを使ってもらい、囲い込む必要があります。

囲い込みの理由はITの進化

現在のIT技術は凄まじいスピードで進化し続け、いつしかリアルとの融合も知らず知らずの間に当たり前になってきました。
実際にアメリカなどの軍事期間では、無人ドローンで攻撃をできる時代になっているほどです。
これまでパイロットが戦闘機を操縦し、危険を覚悟で戦闘に挑んでいました。

ところが、無人ドローンの技術が確立するとIT技術だけで敵地へ侵入し攻撃をしかけることができます。
つまり、機体損傷のリスクはあるものの人命を失うリスクなゼロにできるわけです。
この技術はとても、凄いと同時に恐ろしいことでもあります。

タクシー業界も、これと同じ場面を想定しています。
年々進化し続けるIT技術により、車もITに密接になってきました。
今では、事後防止のためにセンサーが危険を察知すると自動ブレーキが機能する車もあります。

また、タクシー業界自体もIT化が進みアプリでタクシーを獲得できるほど進化しているのです。
「全国タクシー配車アプリ」は、瞬時に自分がいる場所までタクシーを配車するアプリです。
電話をかけて住所を伝えなくても、スマホがあればアプリで配車手続きをすれば近くにいるタクシーが自分の場所へ配車されるのである。

これは、急に雨が降ってきたときなど重宝するほどのIT機能です。
しかし、ITが進化すれば進化するほどタクシー会社が危機的な状態に陥る危険性もあるのであります。

タクシー業界が恐れているIT進化

IT技術が進化すればするほど、リアル世界とのリンクが進みより私たちの生活は便利になります。
例えば、無人戦闘機の例をあげたように近い将来は無人運転車が当たり前になる可能性もあります。
そうなれば、タクシーの運転手の需要が無くなるというタクシー業界の恐れが現実になってしまう一面もあります。

現在、コインパーキングなどをみると誰でも乗れるレンタルカーが配置されています。
車を所有しなくとも、好きな時に好きな時間だけ車をレンタルできるサービスです。
しかし、これが無人化すればどうでしょう。

そして、タクシー会社の配車システムアプリが搭載されたらどうでしょう。
コインパーキングに止めてあるレンタルーカーが配車アプリで配車され、好きな場所へ自動運転してくれる。
こんな未来が実現すれば、タクシー会社の価値というものが薄まっています危険性があるわけです。

もし、好きな時に好きな場所へスマホひとつで無人レンタカーを配車できる未来がきたら便利です。
しかし、タクシーという概念が意味をなくしてしまう可能性が出てきます。
だからこそ、タクシー業界は「タクシー初乗り410円」を展開し、既存顧客の囲い込みへ力をいれています。