アメリカがTPP離脱を発表し、連日この話題が報道されているのでTPP問題が気になる方も多いことでしょう。
トランプ大統領は就任前に安倍晋三首相とトランプタワーで、会談が行われました。
トランプ大統領は当時、今後の政策の話を前面に話すのではなく安倍首相へインタビューする形をとっていました。
その時に安倍総理はトランプ大統領にアメリカとのTPP関係はアジア太平洋地域にとって重要な発展をもたらす事を伝えていました。
トランプ大統領は就任前から、アメリカのTPP離脱を口にしていたのでTPPのメリットの理解を日本側が提示する必要がありました。
では、TPPとな何なのでしょうか。
そもそもTTPって何?
今、アメリカのTPP離脱をトランプ大統領が発表して日本ではTPP問題が毎日のように取り上げられています。
TPPとは、わかりやすく一言で表すと「環太平洋地域の巨大経済圏」です。
TPPには、日本とアメリカをはじめ計12カ国で経済の連携協定合意している大きな経済領域です。
以下が、TPP参加国の現在リストとなります。
- 日本
- アメリカ
- カナダ
- メキシコ
- ペルー
- チリ
- オーストラリア
- ニュージーランド
- ベトナム
- マレーシア
- シンガポール
- ブルネイ
この12カ国でTPPが合意されておりますが、世界の国内総生産(GDP)がこの12カ国のTPP合意国だけで全体の40%を占めるほどである。
つまり、全世界の経済領域のうちTPP合意国だけで世界の4割を超える超巨大な経済圏となっております。
だからこそ、アメリカのTPP離脱がここまで深刻に報道されているわけです。
アメリカのTPP離脱の理由
TPPの前進パシフィック4
あなたも「パシフィック4」という言葉にうっすらと記憶があるかと思います。
これは、現在のTPPの前進となるアジア地域で2006年にシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリで結束された経済協力連携です。
アジア地域のさらなる発展を目指し「パシフィック4」として協議され、合意国内での関税を撤廃し、サービスやモノを自由に展開させることが目的でした。
その後、アメリカがTPP参加を表明し、日本も参加することを決定します。
実質、日本もTPPに加入するとこで工業製品の輸出が有利に働く一方で食品のTPP内輸入が国内の食料品に悪影響を与える懸念がありました。
そう、現在のアメリカのTPP離脱の意見と同様に日本もTPP参加表明時はとてつもない反対意見が飛び交っていました。
アメリカのTPP離脱は雇用にあり
トランプ大統領の大きな目的は、アメリカの復活です。
具体的にはアメリカ国内で仕事を増やす事であり、それに逆風となるものは撤退や削減をする方針です。
「アメリカ第一」と大きく発言しているトランプ大統領ですが、何もアメリカが何があっても第一優先という意味ではありません。
メディアなどで一部の言葉が切り取られ、アメリカに有利な事だけを他国に押し付けている印象となりがちですが大きく違います。
トランプ大統領は、偉大な経営者でもあります。
企業のトップだった人間が自社の私利私欲のために、自社一番で他社にデメリットなサービスを展開していたらトランプ企業は存在しません。
つまり、トランプ大統領は経営者時代と同じく自社と他社に同時にメリットがあるサービスを望んでいます。
だからお互いの国が「お互いの国第一」で判断し、それが双方にメリットがある時に協力協定を結びましょうという意味です。
言葉を換えると、日本にとって「日本第一」であり同時にアメリカにとって「アメリカ第一」の協定を提案したらトランプ大統領はYESと言います。
今回の「アメリカのTPP離脱」はアメリカにとって他国に仕事や技術、そして製品が移りゆくことがデメリットとトランプ大統領は判断しました。
この移動する雇用問題をアメリカ国内に増やすには、「アメリカのTPP離脱」が最も解決につながるというわけであります。
トランプ大統領のアメリカのTPP離脱や反対の理由は、アメリカにとって雇用にデメリットがあるという事でした。
しかしTPPはアメリカにメリットもある
アメリカは農産物や食料品において、TPPに参加していれば輸出量が大きく増やすことができます。
TPP加盟国間で関税が無くなれば、アメリカの輸出量が大きく増え経済が活性化することも事実です。
トランプ大統領は偉大な実業家であるため、この点については大きくメリットがあると当然理解しております。
しかし、アメリカの輸出量が増えて経済が活性化すればするほどアメリカ国内の企業はより生産コストを下げるためアメリカ国外へ進出します。
そして海外工場からアメリカへ逆輸入して、TPP加盟国間の自由貿易へ臨むのです。
こうなれば、TPP間の輸出が増えれば増えるほどアメリカから仕事が海外へ移動するのです。
つまり、アメリカ国内で仕事が減る、雇用が減ることを意味します。
トランプ大統領は、TPP離脱をすることでこの雇用を守ろうとしている事が理解できます。