ハクト(HAKUTO)とは、民間の月面探査チームでチームハクトと呼ばれている。
また、ハクトの正式名称は「ホワイトレーベルスペース」で2008年に宇宙開発に関わる仕事をしていた人たちで設立されています。
2017年の国際宇宙開発レースである「Google Lunar XPRIZE」に、日本から挑戦するチームが登場しました。
目次
ハクトの月面探査車ミッション
いよいよ長年の努力と研究の成果を発表する国際宇宙開発レースに挑戦する時が間近になってきました。
2017年の12月にハクトが月面探査車の国際宇宙レースに挑戦します。
その国際宇宙レース「Google Lunar XPRIZE」のミッションをご紹介します。
ハクトと「Google Lunar XPRIZE」ミッション
月面に純民間開発ロボット探査機を着陸させること
着陸地点から500m以上移動すること
高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること
以上が、ハクトが月面探査車の国際レース時に掲げるミッションです。
ハクト月面探査車の挑戦の厳しさ
ハクトが月面探査車国際レースに参加することになりましたが、そのレースに対する難しさをご紹介します。
まず大前提として、ハクト月面探査車を月へ無事に着陸させなければいけません。
また、「ハクト」は月面探査車のロボットであるためハクト自体を月面に届ける宇宙船が必要であり、さらに宇宙船を打ち上げるロケットも必要です。
つまり、地球からハクト月面探査車の載せた宇宙船をロケットに入れて発射させる必要があります。
インドのサティシュ・ダワン宇宙センターからハクト月面探査車を載せたロケットが打ち上げられ、月の軌道へ載せます。
その後、地球から約38万kmも離れた月まで約3か月の時間を必要とします。
月面着陸後も過酷な環境
ロケット打ち上げ後、月の軌道にしっかりと載せて、月面に近づいたら宇宙船を出してハクト月面探査車を無事に月面へ着陸させるというとても難しいミッションです。
無事にハクト月面探査車を着陸させたらさらに過酷な環境が待っています。
月面は、昼と夜では温度差がとても大きすぎる点が問題視されております。
月の昼では表面温度が100度を超える高温になり、夜では表面温度が-150度以下にまで冷え込みます。
想像を超える急激な温度変化に耐え、さらにクレーターや障害物が多い月面をハクト月面探査車は、500m以上も走行しなければなりません。
そして、ハクト月面探査車はこの急激な温度変化にも耐えて、地面の障害物も避けながら高解像度の動画や静止画を無事に地球まで送信する必要があります。
このなんとも過酷な国際レースで、日本のハクト月面探査車には大活躍してほしいものです。
ハクトが参加する月面探査車の国際レースについて
ハクトが参加する月面探査車の国際レースは、正式名を「Google Lunar XPRIZE」といいます。
XPRIZE財団が主催する月面探査車レースは、Googleが冠スポンサーとなり民間開発ロボットの月面探査車の性能を競う賞金レースです。
現段階で、世界中の10カ国以上から16チームがエントリーしており、優勝チームには2,000万ドルという金額が賞金として贈られます。
日本のチームが優勝するためには、レース終了期限の2017年いっぱいまでの間に他のチームよりも月面調査を完了させ優秀なデータを収集する必要があります。
日本のハクト月面探査車は、日本唯一の参加チームなので優勝を勝ち取ってほしいと願います。
では、レースに参加する16チームをご紹介します。
















ハクト月面探査車の性能
月面探査車の国際レースは、民間開発のロボットが前提となっております。
つまり、お金で有利な既成パーツや素材を全面的に使用することができません。
これはハクト月面探査車も同じで、民間の力という理念のもと低コスト設計に徹底しております。
民間パーツで低コストをはかるものの、機能面では高機能が前提です。
けっしてパーツの費用をケチるという事ではありません。
では、ハクト月面探査車の機能性で重要な項目をみていきましょう。
- 超小型で軽量
- 耐振設計
- 熱対策
- コスト
まず、どうしてハクト月面探査車は「小型且つ軽量化」が重要かが気になるところです。
小さく軽ければ扱いやすいという点が安易に想像できますが、この超小型かつ軽量をすることでロケット打ち上げ費が大幅に軽減されます。
一般的に、宇宙へ打ち上げられるロケットやその内部に載せる物が重ければ重いほど打ち上げ費用は莫大になります。
しかし、軽量にすればするほど衝撃に弱くなることも事実であります。
その問題をクリアするために、軽量であり衝撃にも強い「耐振設計」が求められます。
それらの条件を前提に、民間で購入できるパーツで低コスト化を実現します。
ハクト月面探査車の機能
これまでのご紹介で、月面がどれだけ過酷な環境かがおわかりいただけたと思います。
ハクト月面探査車には、以下の機能が備わっています。
- 360度カメラ
- ハイブリッド通信
- ソーラーパネル
- CFRP構造
- ホイール
ハクト月面探査車の前後左右には合計4個のカメラが搭載されており、これにより「360度」の撮影が可能です。
また、これらで記録された高解像度データを送信にはハイブリッド通信機能が活躍します。
そして、月面下でも動力源を確保するためにハクト月面探査車体にはソーラーパネルが装備されております。
さらに、月面では環境が厳しいためロケット素材に使用される炭素繊維強化プラスチックを使用しCFRP構造にしています。
月面はとても細かいパウダー状の粉に覆われているため、通常のように進行することが困難です。
スリップしないようにホイールは、ウルテム樹脂の素材を使用してしっかりとグリップします。